■ワイワイ談義 その6―番傘の贈り物   木野和也さん(旧3年6組)

隠居生活は、何をしても自由で良いのだが、中々そうは問屋が卸さないのが世の常。一三会の皆さんにも心当たりがあるはず。介護の生活や病気とのつきあい、足腰の故障、家族や親族などの法事や付き合い、神社の修理や世話、孫の世話や近所・地域の付き合い、そこへOBの飲み友達の一杯など・・・。数え上げればきりがない。みなさんはそれなりに距離を持ってうまく関係づくりに努めておられるのであろう。
我がケースの工夫を述べたい。初回の『ワイワイ談義』で写真を掲載した「三代目提灯屋」は、今は、シーズンオフ(注文は無し)。
そこへ、知人から「お前のところは,傘屋だろう。同級会で恩師に番傘を贈ろうと思うので作ってくれないか」という電話が入った。
そんなのは、私の小学校時代の家業なので断ろうと思ったが、物置小屋に行ってみると「番傘の骨」が50年近くも残っていたのを見つけた。竹と糸は、まだ使えることに驚く。

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早速、小学校の頃の記憶をたどって工作の時間。夏休みの自由研究みたいな気持ちで取り組む。写真の番傘の骨。見れば見るほど「職人」の技のすばらしさを感じる。家には「和紙」もある。そこで、試作してみた。悪戦苦闘の末なんとかなった。そこで、数本作って、知人の注文を受けることにした。写真にあるように「米寿」「喜寿」を書いて商品にして売った。もちろん格安にて(手間賃にもならないが・・・)。久しぶりにできたことに充実感を味わった。以降、残り傘の骨が20本ほどあり、和紙を購入すればできることが分かり、時間があるので傘屋の真似事をしてみようと思う。(ご希望があれば・・)
読書に至っては、のめり込んでいるのが「池澤夏樹」「吉本隆明」「養老孟司」「内田樹」の4名。これは、癖になりそうである。
さて、宮川吉次郎の本が出版される。それも是非読んで、このコーナーで紹介して皆さんと語りたい。来週は、「報恩講」の世話方。(こちらもデビュー)