■ワイワイ談義その9   吉ちゃんの本読んだよ!「立川談志鬼不動」   木野和也さん(旧3年6組)

提灯屋の木野和也

沢田君の店舗であったサイン会で買った本。わくわくして読みかけた。何せ隠居生活だから、時間はあるが、図書館から借りてきた本がいつも10冊以上積まれている。そこへ、この本。おいしいお菓子をたべるように毎日少しずつ大事に読む。つまり、おいしいご飯を炊くがごとく、「始め、ちょろちょろ、中、パッパ。赤子泣いても蓋取るな」式の読書。
 結論から、吉ちゃん!客席のお客と同様に第6章は、涙が止まらなかった。その予感は、第5章からあった。新しい物を創る産みの苦しみは、多くの方の力でできるんだよね。読み終わっても、あの曲師美弥の三味線と掛け声の調べが、目の奥に残る。いいね。スチャスチャスチャ。ちちちつつつ、ちと〜んと〜ん。噺の筋書きをお客にも、黙して投げかける。私もいっしょになって客席に居るようだった。久しぶりに泣いた。
30数年前、フランクフルトの日航寄席で、談志さんの「芝浜」を目にして感動して目頭を痛くしたのに勝るとも劣らない本だった。吉ちゃんの思う談志師匠の人となりも十分に感じられたし、ラジオ・テレビのディレクターとしての経歴を基にした落語の業界のことも楽しく読ませてもらった。さらに、著者の「肝臓がん」という病とともに付き合っていく生き方も行間に感じられ、、とにもかくにも、良かった。最後に、こんな本がかける弟子吉次郎さんには、ぜひ次作を期待したい。ありがとう。
いっぱい書きたいけど、一三会のみんなもぜひ読んでいただきたいのでこの辺にしておく。幹太・お俊に幸あれ。そして、談志師匠も彼岸でご健在を!

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安土のきぬがさ山の里山道「石仏の道」