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 まつ お  ば しょう         ひ

 の       小船木町 

 小船木町、観音山には、松尾芭蕉の没年を記念した句碑が3基あります。

 芭蕉が初めて琵琶湖の美しい風景に接したのは、野洲出身の歌人北村季吟を

訪ねた時であった。山里に生まれ育った芭蕉が目のあたりにしたのは、比叡や

比良の山々を背負って海のように広がる絵のような湖であった。芭蕉は、近江

を訪ねること8回におよび、しかも晩年の2年近くを大津で過ごし、近江の風

景や人間に深い愛着を抱いていたように思われる。芭蕉は「死後もここで過ご

したい」と遺言をしたほどであった。

 1684年(貞享4年)の夏、芭蕉は江戸にあって二度目の長旅を計画して

いた。再び関西を巡る「笈の小文」の旅である。心はすでに近江にあり、琵琶

湖の葭の根元に作る鳰(にお)の巣でも見に行ってみようかと、友に旅の計画

を打ち明けた。鳰はかいつぶりのことで琵琶湖に多く生息する。それゆえ琵琶

湖のことを「鳰の湖」という。

   没 100年句碑 「一声の 江の横たふや ほととぎす」

   没 200年句碑 「比良三上 雪さしわたせ 鷺の橋」

   没 300年句碑 「五月雨に 鳰の浮巣を 見に行かん」