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                        みず ぐき の  おか

景勝の地岡山(水茎

 高さ147メートル、周囲4キロあまりの小さな丘であるが、遠くに比良連

峰・竹生島、近くには沖島・長命寺姨綺耶山・鶴翼山、眼前に岩石突き出し湖

水の眺望すこぶる良好佳絶無比の奇勝地である。万葉集をはじめ古今、新古今

等の歌集の中に、天皇、公卿、法師、文人墨客達が、この水茎ヶ岡を詠んだ歌

は40有余残されており、文芸史上随一の名勝地であった事がうかがえる。伝

説によれば、巨勢金岡がこの名勝を画かんとしたが、あまりの見事さに筆を捨

てた事から筆捨の岡、水茎の岡、筆ヶ崎、硯ヶ渕などの名を残している。

 「秋風の日にけに吹けば水茎の 

            岡の木の葉も色づきにけり」(万葉集)

 「水茎の岡の葛葉も色づきて

            今朝うら悲し秋の初風」(新古今和歌集)