■リアルタイムの映像（米国同時多発テロ）について
まず，今回のテロで犠牲になられた多くの方に，慎んでお悔やみ申し上げます。
◆テレビにくぎ付け（その日の出来事）
何気なくいつものようにニュースステーションを見ていました。時間は忘れましたが，いきなりテロップで「米国の世界貿易センタービルに航空機が衝突」だったと思いますが，流れてきました。そうしている間もなく，画面が切り替わり，世界貿易センタービルが映されたか否かに，２機目が衝突しました。画面では丁度，映像が撮られている位置が，２つのビルが重なっていて，まるで１つのビルに２回衝突したような映像でした。
ニュースステーションとＮＨＫのニュースが早かったように思いますが，やがてどのチャンネルに切り替えても，すべてテロのニュースばかり。ニュースステーションの時間が終わっても，延長してそのままキャスターがテロのニュースを続けていました。まるで，映画のシーンを見ている錯覚に陥るようで，これが現実か否か，と云った感じでした。最初の間は，航空旅客機とは云わず，双発機が衝突との解説で，米国とのやり取りが非常に緊迫しながら，且つなかなか正確な情報が伝わらないもどかしさのようなものが感じられました。
事態がだんだん深刻になりだし，テロと云う言葉も出始めました。そして，まるで映画さながらの様子で，ビルが倒壊する様子を本当に生々しく，且つ正確に言葉少なくても，その凄まじさが映像を通して伝わってきました。更には，違った角度からの映像も伝わってきて，２つのビルの衝突の様子が何度も何度も繰り返し放映されました。
多分，多くの方が私同様，テレビにくぎ付けになったまま，夜の更けて行くのを気にはしながら見られていたのではないでしょうか。
そして，当初の衝突の映像からは想像も付かなかった２つのビルが脆くも崩壊しました。そのときの様子は，（後日繰り返し，繰り返し放映されたため，その瞬間の気持ちを忘れさせるほどですが），今なお脳裏にあります。そのときの瞬間は，「ええ！！何故，あんなビルが，まるで古いビルを爆破させたときに見られるように，脆く崩壊するのか？信じられない？」と云った感じでした。
情報は刻々と変わり，やがて国防省のペンタゴンにも飛行機が墜落した，とのニュース，さらには，ピッツバーグ郊外でも飛行機事故が！！と混乱の体をしてきていました。さらには，そのときのニュースでは，不明の飛行機が１１機もある，との情報が流れ，４機までははっきりしたのですが，残りはハイジャックされたのではないか，と騒ぎがどんどん広まっていました。キャスターも数を数えながら，残りの飛行機は何処から何処へ向かっていたのか？などと，詮索していました。夜はどんどん更けゆきました。日本の対応はどうかと，１時前になり福田官房庁官が声明を発表。もうこれ以上見ていても限りがないのでと，寝床に就きました。
翌日もテレビの報道は，テロ事件一色で，さらに新たな映像で，そのときの様子が生々しく，且つ正確に知らされて，非常に恐ろしいことが起こった，と実感しました。
米国では，９０時間ぶっ通しで，今回のテロ事件の報道がなされた。これはケネディ大統領の暗殺事件以来のこととありました。それで思いだしたのが，ケネディ大統領暗殺事件です。
◆ケネディ大統領の暗殺事件（確か，大学生だった秋と思います）
その当時大学生だった私は，今でもそのときの記憶がはっきり残っています。実は，この日は，日米間で初めて，テレビ放送が同時中継される日でした。いわゆる，現在米国の様子がテレビで，リアルタイムで放映されますが，今から遡ること，３０数年前に初めて日米間のテレビ放送の実験がされました。
当日，休みだったのか実家（当時は大学生で下宿生活をしていた）でテレビを見ていました。というより，歴史的瞬間を見ようと，眠い目をこすりながら朝５時前から起きてテレビの前にいました。
やがて放送時間がきました。まず，最初に映ったのは，モハービー中継基地の風車（電力用の風車）が，数多く映し出されました。（砂漠の中にある風車の風景でした） そして，日本語で，その口調は忘れましたが，たぶん「日本の皆様，アメリカのモハービー中継基地から，初めて日本へ生の映像をお送りします。しかし，本当に，本当に悲しいニュースをお伝えしなければなりません。本日，遊説中のダラスでケネディ大統領が暗殺される事件がおこりました。最初にお伝えするニュースが，こんなニュースになろうとは！！本当に日本の皆様に，こんな悲しいニュースをお伝えしなければなりません・・」
当時，学生だった私は，歴史的瞬間の喜びどころか，非常な驚きと，そのリアルタイムの凄さに心底から震えたのを今なお鮮明に覚えています。もう随分前のことで，記憶が定かではありませんが，実際に暗殺の瞬間の映像などが送られてきたのは，随分時間が経ってからだったと思います。テロップもあったように思いますが定かではありません。ただ，アナウンサーの非常に悲しんだ声が印象的でした。
*その後判ったが，この事件は1963.11で，私が高校2年生のときだった。記憶間違いである。
◆情報源
世界中の出来事が茶の間で，リアルタイムに見られるようになって，３０数年になります。しかも，それが当たり前の時代です。従って，世界同時株安といった現象も容易に起こります。
今回の同時多発テロの事件で，米国の調査では，主な情報源は，テレビ（７８％），ラジオ（１５％）で，インターネットが普及したとはいえ，インターネットが主要な情報源と答えた人はたった３％だったそうです。しかし，インターネット利用者の６４％もの人が，インターネットを補完的な情報源として積極的に利用した。また，電話は通じなかったけれど，インターネットでメールは利用できた，とも云われています。
今回，インターネットが伝統的なメディアや通信手段と並ぶ，主要な通信メディアになったことは事実だ，とも報じられています。インターネットで，動画が容易に取り込めるようになり，テレビなどとは異なったリアルな映像を出しているホームページもあるようです。
私が見た限りでは，掲示板など使って，個人情報や，ボランティアの情報など詳細に出ているホームページも見受けられました。こうした，双方向のやり取りは，インターネットならではの特徴です。やがては，インターネットが，テレビとは違った通信メディアとして日本でも，更に普及することは間違いがないと思われます。インターネットも貴重な情報源になりつつあるのではないでしょうか。
［2001.09.22 Reported by 「金亀一三会」システム担当 Hitoshi Nishimura］