■「ゴーヤ」に関する話題
ゴーヤを育てる季節がそろそろ始まるが,ここ数年ずっと育て続けてきたコツのようなことを紹介してみる。きっかけは,真夏の暑さ対策で,西日を避けるために園芸店で5本ほど買ってきて育てたのが始まりである。毎年,改良を続け,日陰目的はもちろんののこと,ゴーヤ御殿の様相を呈し,また実もよくでき,一夏で150本以上も採れ,ゴーヤの好きなご近所に配って食べていただいている。
○日陰目的で始める
そもそもの始まりは,日当たりが良いのが災いして,夏の西日がきつく,エアコンをガンガン効かさないと過ごせないことを解消する目的で,ゴーヤのカーテンをすれば2,3℃は下がる情報を得て,育てることにしてみたのである。野菜を育てるような大きな庭もなく(実は,菊作りで総て占領しているためだが),園芸店で購入してきた苗を育ててみると,そこそこ日陰になり,当初の目的は達したのである。最初の年から,実もそこそこでき,翌年からはタネから発芽させ,増やして行った。
2年後ほどには,違った品種を増やし,写真にみられるように,1階のみならず,2階のベランダを覆い尽くし,夏の避暑対策は十分すぎるほどの効果(4〜5℃の低減)を発揮してきている。
2階からネットを這わせ,それが2階まで届き,2階のヨシズに絡みつくほどである。
3つのプランタンに各3〜4本ほど植えているのがこのようになる。
○タネから育てる
それほど農家の心得があるわけではないが,一応子供の頃から実家で畑に野菜を作っていたのを知っていたので,タネを採って翌年に捲き,育てることは経験があった。そこで,見落とすほどできる実のなかで,ついうっかり見過ごし,黄色くなった熟れたものから,タネを採取している。
赤い中にタネがあり,これをきれいに洗って,翌年のタネにする。
ここからは,2016年度の進行状況
○タネまき
種まきは,タネが非常に硬いので,尖っている方を少しカットしてやり,ヒタヒタ状態の水に浸けておくと発芽するが,温度が低いと発芽しないので,25℃以上の日が続く状態の方がよい。今年度は5月末でやっと根が出始めた。
これでは少し遅すぎるので,5月の連休明けに上図のように2,3日水に浸し,十分水分を吸収させた上で(根は未だ出ていないものを),ポット(土+バーミキュライト)の中で太陽に当て,高温を維持して水分補給していると,芽が出てきた。(5月20日)
双葉からある程度時間をおくと,ポットの下部まで根が行き渡る状態になる。
この状態で,予め準備しておいたプランタンに定植した(5月28日)。プランタンは昨年の土を再生する意味で,苦土石灰,腐葉土,油かす,米ぬかなどを適量混ぜたものを準備しておく。
2芽出たものもあり,適当にプランタン3カ所に植え付ける。最初の大きく伸びた写真はこの3つのプランタン,9本+α本が育って伸びたものである。
○プランタンに一工夫
普通,プランタンで育てると,上記の写真のように2階まで届くほど大きくは育たない。せいぜい,1階を覆い尽くす程度である。プランタンで育てている多くの方がそのような状態である。もちろん,実のできも1本から数個である。
私が工夫しているのは,プランタンの水抜き穴を底に数カ所空けて,根が底からさらに地中へと伸びるようにしているのである。これはたまたま,最初の年に弦をまくり除去しようとした際に,プランタンの水抜き穴から,更に地中へと伸びた根を見て,ゴーヤの根は良く伸びるものだと発見したからである。
もちろん,プランタンを置く場所は限られ,コンクリートの上などに置く場合はこの方法ではムリである。幸いにも,我が家の場合,西側の縁側はコンクリートの足置き場はあるが,その外側は土になっているので,それが可能なのである。元々の土地は山土でそれほど野菜に適した土地では無いが,プランタンにやる水や肥料が浸み渡るためか,十分根を張ってくれる。
コンクリートの上に置かざるを得ない家庭では,深めのプランタン(40cm程度のもの)を使用すれば,十分根を張り大きく育てることが可能なのでチャレンジしてみてください。
○成長過程
5月末に定植した苗は,1カ月でどんどん成長してくる。6月27日になり,かなり伸びてきたので,2階からネットを張り,ネットの下端が伸びた弦に届くようになり,ネットに這わすようにしてやる。これからは成長を待つばかりで,肥料は油かすを水で溶かしたもの(一升瓶の中に油かすを入れ,水で混ぜたもの)を薄めてジョロで根元にやる。(頻度は1回/10日程度)
7月に入りどんどん弦は伸び,1階の高さを超え始める。まだ日よけにには不十分だが,ようやく花がつき始める(7月9日)。これは雄花でこれには実がつきません。この雄花が一杯咲き始めた頃に,実の付く雌花が咲き始めます。その間,2週間程度は十分かかります。雄花10〜20個に雌花が1個位の比率だそうですから,焦らずにじっくり待ちましょう。
ようやく,雌花が付き始めました(7月22日)。雌花は雄花と比較すると明らかに違い,最初から実が付いておりその先に花が咲いています。また,花のめしべも緑がかった色で,雄花のおしべは黄色ですのですぐ判ります。ただ,殆どが雄花なので,雌花を見つけるのはたいへんです。この頃には,完全に二階のベランダの手摺りに先端は届いています。
雄花がしおれ,小さなものですが確実に実が付き始めました。
一番成りのゴーヤが採れました(7/31)。上のような小さな実を見つけて一週間ほどで,食べられる大きさになりました。一番成りで,少し小さめですが,次々雌花に実が付いているものができてきていますので,迷うことなく採ってしまいました。
冒頭の写真のように2階のベランダを覆い尽くすようになり,ゴーヤの実が次々できてきています。我が家の本格的なゴーヤの季節に入り,毎日のように十分な大きさの実が採れています(8/5)。小さなものまで数えると20個以上あり,これから毎朝の収穫が楽しみです。もちろん,当初の目的である日よけは,この暑さに十分なほど効果を発揮しています。水やりは日中の暑さでしおれますので,朝夕たっぷり水をやっています。肥料は油かすを水で溶かしたものを継続しています(またまだ,先端は伸びています)。
次に,2階のベランダまで伸びた様子を撮ってみました。
上図左は下から伸びてきた先端が,手摺りを越え2階のすだれに巻き付いてきている様子です。右は,内部から外を撮したもので,すだれも要らないほど覆い尽くしています。ネットでも良いのですが,ここにも結構実がなり(よく見ていただくと,中央左右に小さな実がなっています),ネットにすると屋根まで伸びて行きますので,敢えてすだれに巻き付かせて,収穫しやすくしています。
また,一方では今年も,下記に示すように,毎朝「ゴーヤジュース」を作り始めました。得意としているゴーヤの「エビ焼売詰め」も作ってみました。また,食卓にいつも「冷製ゴーヤのネギ油和え」を作って賑わしています。暑い夏の日には食欲を増す一品です。
今年度は,全体の上部,2階の方に虫が付き成長が止まり出しましたので,例年より1週間程度早く,9/27に全てを取り払いました。ゴミ袋4袋にもなりました。ここのところ雨が多く,陽射しも十分凌げるようになり,部屋も明るくなりました。今年度の収穫は,7月末から約2カ月で180本,ご近所や知り合いの方に,毎週のように配りました。下記に示しますゴーヤジュースは毎朝2カ月間(未だ,冷凍庫にあり,10月に入っても飲んでいます),飲み続け健康増進に役立っています。
ゴーヤのタネもたくさん採りましたので,ご希望あれば,タネをお送りします。近畿圏でお出合いできる方は。来年度5月末頃には,苗をお分けしますので,ご希望の方はご連絡ください。
************
以下,2015年度の実績
上の写真はプランタンの状態を撮っているが,右の写真で判るように,幹の太さが直径4,5cmに育っている。これは,プランタンの中だけではなく,底から根を伸ばしていることの証拠であり,このくらいにならないと,2階まで届く大きさにはならない。土は実家の畑の土を持ってきて,毎年苦土石灰などで戻し,肥料は油かす+骨粉を定期的にやり,毎日の水やりは欠かせない。
我が家では,昨年の例では,5月初めにタネを発芽させ,ポットで育て,5月末にプランタンに定植している。(購入する場合は,この頃で十分) 6月中旬にゴーヤが伸びてきたので,2階からネットを垂らし,それに巻き付くようにさせる。7月の初めには,ゴーヤが1階までの高さに育つが,未だ花は付かない。
雄花が咲き始めるが,実の付いた雌花は直ぐにはできない。先ず雄花が無数に咲き出し,雌花に実が付き最初に採れたのは7月末である。それから10月の初めまで約2カ月余り,毎日のようにゴーヤが収穫でき,50〜70個/月,合計150個超採れたのである。
左右で品種が違う。一日でこのように採れる日もある。我が家の2人では食べ切れず,ご近所のゴーヤの好きな家庭数軒に,2,3回配っている。
○ゴーヤ料理のご紹介
ゴーヤは好き嫌いがありますが,ビタミンC,食物繊維,カルシウム,鉄分など他の野菜よりも多く,栄養価は高いので,好んで食べる人も多いようです。我が家でも,最初はゴーヤチャンプルなど定番料理でしたが,余りにもできすぎるので,料理にも工夫をしながら食べています。因みに,ゴーヤ料理はすべて私が担当です。いずれも,インターネットからレシピを採り,それに基づいて作っている。その一部で,私の好みを紹介します。
1.ゴーヤジュース
ゴーヤができると,料理に使う余った分は,半分に割り,中のワタの部分を丁寧に除き,小さく切ってそのまま冷凍して保存しておきます。それを毎朝一掴み(適当に),バナナ半分程度と牛乳とハチミツ少々を入れミキサーで撹拌させゴーヤジュースを作って,約2カ月毎朝飲んでいます。(好みがあり,女房は殆ど飲まない)
2.ゴーヤのエビ焼売詰め
ゴーヤを1cmほどに輪切りにして,中のワタを取り除きリング状にする。そのままでも良いが,沸騰したお湯でサッと茹でた方が良い。買ってきた冷凍エビ焼売を電子レンジで柔らかくして半分に切り,ゴーヤの輪の中に詰める。両面に片栗粉を振りかける。
それを油を薄く引いたフライパンに入れ,片面を蓋をして弱火で焼き,裏返してパリッと焼く。
出来上がり(簡単なので,よく作ります。肉詰めでもOK。)
3.冷製ゴーヤのネギ油和え
ゴーヤを半分に切り,ワタをきれいの取り除く。それを薄くスライスして,塩もみしておく。
ネギ,玉葱,ショウガを各々みじん切りにする。(量は,ゴーヤ1本に対して,大2,大1,小2程度,比率は適当で構わない)
ショウガと鷹の爪(1本)を低温のサラダ油(大3)で,弱火でブクブクと泡が出る程度で,香りを引き出す。
そこへ,ネギ,玉葱を入れゆっくり加熱して,ネギ油を作る。
さらに,ゴーヤに中華だし(小1)を入れ,ネギ油と和えたら火を止める。
粗熱をとり,冷蔵庫で冷やす。
以上で,完成。(ビールのつまみにも非常に合い,いつもテーブルにあります)
4.ゴーヤの味噌炒め(豚肉を使用)
材料:ゴーヤ1本,豚肉150g,ごま油大1,サラダ油大1,味噌大1,砂糖小2,醤油小1,料理酒大2,すりごま大3
ゴーヤを縦半分にして,ワタを除去して5mm程度の半月切りにする。
そのまま使ってもよいが,熱湯で数分ゆがく。
豚肉は細切れにしておく。細切れのものはそのままでも良いが,半分程度に小さくしておく方が味も良く馴染み食べやすい。
フライパンにサラダ油又はごま油をしき,豚肉を炒める。色が変わればゴーヤを入れて更に炒める。
(私は,一旦豚肉を皿に上げ,ゴーヤだけをサラダ油で炒め,少し焦げ目が付く程度で,豚肉を戻して炒めている)
砂糖を入れて更に炒め,料理酒で溶かした味噌と醤油を加える。
全体に味がなじむまで少し炒め煮して,最後にゴマを振りかける。
我が家では,ゴーヤチャンプルより,こちらの方を作ることが殆どです。
5.その他
ゴーヤチャンプル,ゴーヤの佃煮,ゴーヤスープ(トマトと)など数種類のレシピを活用中。
皆さんも一度チャレンジしてみては・・・
[2016.04.28 Reported by 「金亀一三会」システム担当 Hitoshi Nishimura]